2010年12月23日木曜日

自由と不自由


おれが女からの愛情に飢えている時は、

おれは女がほしいあまりに、その女の気をひこうと躍起になって、

「なんでも言う事を聞くから、愛情をくれ」と、

相手に媚びて、泣きついて、しがみつくだろう。

金を払って買う事もあるだろう。

騙されている事が分っていながら、共に居ようとするだろう。

どんな虐待にも耐えるだろう。

自分の腕力や権力をみせつけて、無理矢理に言う事を聞かせようと勘違いするだろう。

愛情に飢えていれば、気を引くために、

世界で最も罪深い自殺すらするだろう。

愛されたい時、おれは不自由だ。



おれが自分自身の愛で満たされているなら、

相手の愛情なんて宛にしないで、

自分の愛だけで満足して、溢れる愛を相手に分けれるはずだ。

愛していれば、

相手の命を、時間を、金を、夢を、すべてを大切にできるはずだ。



金持ちが金ほしさに奴隷になったりは、しないだろう。

満腹の者が食べ物を求めて頭を下げたりはしないだろう。

今、幸福な人にとって、今以上の幸福など必要がないのだ。

人に愛されたい時、おれは不自由だ。

人を愛する時、おれは自由だ。