2011年8月5日金曜日

おっぱい


私の性別は男だが、
どう云う訳か私にはおっぱいがある。
最初に気付いたのは小学4年の時で、
プールの授業の時に隣にいたクラスメートに、
「おまえ、男のくせにおっぱいがあるな?」
と指摘された時だ。
聞いてから、
私は自分の胸をまじまじと見つめた。
確かにある。
その後に他の男子クラスメートの胸を観察した。
みんなの胸には、ふくらみがなかった。

以来、自分の裸が恥ずかしく、
修学旅行などでもクラスメートと一緒に風呂に入るのを避けるようになった。
思春期時代に数名の女子に「かわいい」と言われた。
わたしは、かわいいと言われるのが気持ち悪かった。
私にとって、かわいいのは女子や子供で、男はかわいくなかったからだ。
腹立たしくて筋トレをした。
なかなか強くはなれなかった。
今思えば、彼女達はなんでもかんでも、かわいいと言っているのだ。
気にする事でもなかったのだと思う。
学校の帰り道に年配の方が私を見ながら、チンコをファスナーから出してしごいていた。
私は彼の大きなチンコをしばらく見ていた。
あんなに大きなチンコを見たのは生まれて始めてだった。
当時の私には彼が何をしているのか理解できなかった。
バスに乗っている時にナンパをされた。
私が男だと気付くとナンパ師は離れて行った。
痴漢をされた事もあった。
痴漢の彼は自分のチンコを私の顔に押しつけてきた。
私は、彼を撃退するために彼に暴力をふるった。
彼はニヤニヤしていた。

おっぱいがあるのは、きっと太っているからだ。と思い。
ダイエットをした。
体重がいくら落ちても、おっぱいは無くならなかった。
成人した頃に2、3本の髭が生えた。
ようやく男らしくなった。ととても嬉しかった。
次第に顔もゴツゴツしてきて、
ナンパをされる事も痴漢される事もなくなった。
しかしおっぱいは無くならなかった。
今でも私には、おっぱいがある。