どう云う訳か私にはおっぱいがある。
最初に気付いたのは小学4年の時で、
プールの授業の時に隣にいたクラスメートに、
「おまえ、男のくせにおっぱいがあるな?」
と指摘された時だ。
聞いてから、
私は自分の胸をまじまじと見つめた。
確かにある。
その後に他の男子クラスメートの胸を観察した。
みんなの胸には、ふくらみがなかった。
以来、自分の裸が恥ずかしく、
修学旅行などでもクラスメートと一緒に風呂に入るのを避けるようになった。
思春期時代に数名の女子に「かわいい」と言われた。
わたしは、かわいいと言われるのが気持ち悪かった。
私にとって、かわいいのは女子や子供で、男はかわいくなかったからだ。
腹立たしくて筋トレをした。
なかなか強くはなれなかった。
今思えば、彼女達はなんでもかんでも、かわいいと言っているのだ。
気にする事でもなかったのだと思う。
学校の帰り道に年配の方が私を見ながら、チンコをファスナーから出してしごいていた。
私は彼の大きなチンコをしばらく見ていた。
あんなに大きなチンコを見たのは生まれて始めてだった。
当時の私には彼が何をしているのか理解できなかった。
バスに乗っている時にナンパをされた。
私が男だと気付くとナンパ師は離れて行った。
痴漢をされた事もあった。
痴漢の彼は自分のチンコを私の顔に押しつけてきた。
私は、彼を撃退するために彼に暴力をふるった。
彼はニヤニヤしていた。
おっぱいがあるのは、きっと太っているからだ。と思い。
ダイエットをした。
体重がいくら落ちても、おっぱいは無くならなかった。
成人した頃に2、3本の髭が生えた。
ようやく男らしくなった。ととても嬉しかった。
次第に顔もゴツゴツしてきて、
ナンパをされる事も痴漢される事もなくなった。
しかしおっぱいは無くならなかった。
今でも私には、おっぱいがある。