昔むかし
ある山に婆さんが住んでいました。
そこに修行僧が訪れて
「修行をしたいので、あなたの庵を貸して頂けないでしょうか?」
と彼女に嘆願しました。
婆さんは、その申し出を快く承知しました。
それから30年後…
婆さんはふと、あの坊主の修行の成果を知りたくなり
坊主の庵に若くて魅力的な女性を差し向けました。
その美女が坊主に抱きついたところ
坊主は
「わたしは30年間修行を積んで来たのだから、女性には何も感じないのだ」
と美女を退けました。
それを見届けた婆さんは落胆し
「わたしは、とんでもなく、しょうも無い人を育ててしまった」
と、その庵を燃やしてしましました。